香港国家安全維持法-2

更新日:2021年07月15日
(左)港島中心部で毎年7月1日に実施されている恒例の大規模デモ(右)今後、デモは警察隊によって制圧されます。
「香港国家安全維持法」の犯罪行為とみなされるのは、
 ▽分離独立行為…中国からの離脱
 ▽反政府行為…中央政府の権力あるいは権威の弱体化
 ▽テロ行為…人への暴力や脅迫
 ▽香港に干渉する国外勢力による活動
ですが、「香港国家安全維持法が香港基本法(ミニ憲法)より優先される」と規定されている点も物議を醸しています。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダの四カ国は、国家安全法施行により香港での言論統制が一段と強まり、50年間、高度な自治を保障した「一国二制度」の有名無実化が進むことは確実と言われています。
 同法は6月末に全中国人民代表大会常務委員会において賛成2,878票、反対1票、棄権6票で可決、成立してしまいました。香港が中国に返還された記念日の7月1日の前日に施行されてしまいました。既に公表されている同法案概要によると、「一国二制度」の下で香港に認められた「高度な自治」は喪失し、「三権分立」崩壊をもたらすばかりか、国際社会や市民が享受してきた香港の自由は土壇場に追い詰められます。中国政府が香港に出先機関「国家安全維持公署」を設け、国家安全に関する情報収集・分析、国家安全を脅かす犯罪事件の処理などを担うようで、香港での過激な抗議活動などが起これば出先機関が法執行することをも想定しています。
 これは香港の立法権にまで大きな制約を与えることになりますから、最早、香港の自治権はなくなったといっても過言ではないでしょう。
 香港がイギリスの植民地だった時代に香港人に対して発行された英国海外市民旅券(BNO)を保有している人は約30万人で、イギリスにはビザなしで最長6カ月間滞在出来ます。今後、富裕層を中心に、絶望した人が香港を捨て、イギリス、カナダ、台湾、日本へ移住する人が増えてくると思われます。
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