斉白石-2

更新日:2019年09月15日
2017年北京保利秋季オークションで、9億3,150万元(約158億円)で落札された斉白石の「山水十二屏」
 斉白石の作品の特徴は、海老、蟹、鶏、蛙、トンボなど生き物をシンプルに描くことと、草花、花鳥、昆虫、山水などを組み合わせ、濃い色彩と自由闊達な水墨を用いて生き生きと描くところにあります。白石は陳半丁、陳師曽、凌文淵とともに京師四大画家と称されましたから、当時、国内でも彼の名はある程度、知られていますが、「衰年変法」、つまり大器晩成の画家であったと言えます。
 1922年、東京で開催された日中共同絵画展に陳師曽が白石の作品を出展したことをきっかけに、白石の国際的評価が高くなりました。その後に膨大な白石コレクションで知られるようになる外交官の須磨弥吉郎は、中国駐在時代に白石の重要な後援者として白石の作品を大いに蒐集しました。独創的なデザイン感覚、他者の追随を許さない斉白石の作品は、没後50年が過ぎた頃からその評価はますます高くなり、最近のオークション市場では、一億円を超える作品もそう少なくありません。
 2017年、北京保利秋季オークションに出品された斉白石の作品が、最終9億3,150万元(約158億円)で落札されました。斉白石の作品の落札価格としては過去最高で、中国美術品としても世界最高値となりました。この作品は斉白石が北京の名医、陳子林に贈呈した「山水十二屏」で、1925年に描かれた作品です。現存する斉白石の「山水十二屏」は二点しかなく、一つは1932年に四川省の軍人、王★(糸へんに賛)緒に描いたもので、現在は重慶博物館の蔵品となっています。
 この「山水十二屏」は、縦180センチ、横47センチの一二幅で、「江上人家」、「石岩双影」、「板橋孤帆」、「柏樹森森」、「遠岸余霞」、「松樹白屋」、「杏花草堂」、「杉樹楼台」、「煙深帆影」、「山中春雨」、「紅樹白泉」、「板塘荷香」の書画からなり、すべての作品に斉白石自作詩と、自刻印が押されています。そして、統一して表装されており、「詩」、「書道」、「絵画」、「篆刻」の四拍子揃った極めて貴重な作品です。
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