特大藝術品的贋品(偽物の特大藝術品)-1

更新日:2019年07月01日
(左上)TV報道、(中央、右上)押収模様、(右下)范曽の偽造印章70方
 昨年2月、日本でもよく知られる北京・瑠璃廠の骨董商の某氏とその息子が数年に亘ってグループで行っていた大規模な贋作作りか発覚し、当局によって逮捕されました。この某氏は日本にも固定客が多く、筆者も何回も話をしたことがあります。恐らく今頃、顔面真っ青な人も多いかと思います。
 贋作に関しては斉白石、李可染、啓功などオークションでは常に高額落札で知られる作家、しかも大作を中心に偽造する組織的ネットワークとして、容疑者24人(その後500人以上に増大)を拘束、同時に1,165幅の書畫作品を押収、また変造印章と各種類も発見、押収しました。さらに、押収した偽鑑定証明書を作る工具で、事件資金の2,600万元(約4億4,200万円)を稼いだ裏付けを調べるようですが、すでに判明しているだけでも被害者は全世界で、40億日元程度の売上があったようです。その模様はウィチャットニュースで即座に公開され、たまたま訪中していた僕は目が点になりそうな押収時の写真も公開されていました。
 現在、中国美術市場は世界第2位の規模となっています。中国美術オークション業界では、2つの世界的美術オークションであるサザビーズとクリスティーズがありますが、これに国内2件のオークションとして中国嘉コと北京保利の合計4つが、中国国内の主要オークション会社として第一グループを形成しています。次に、北京匡時、西★(さんずい+令)拍賣、北京城軒、広東崇正、北京★(草冠+栄)宝齋、上海★(凡の点トルの下に「木」)云軒など20社以上の企業が第2グループを形成しています。さらに第3グループとして、これ以外に数百にも及ぶ小さなオークション会社が存在しています。
 次号では中国で数多あるオークション会社の事情、組織的で大規模な贋作作りの詳細、オークション市場に贋物作品が横行している根本的な問題と課題についてお話します。
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