中国の神様-1

更新日:2022年01月01日
神戸元町の「関帝廟」と南京町の布袋様
 新年おめでとうございます。世の中では新型コロナ感染拡大がようやく収まりつつありますが、オミクロン株が増えつつありまだまだ予断は許さないという専門家の意見もあります。神様仏様にお祈りしたい気持ちをお持ちの方も多いでしょう。
 2022年初めの今号では中国の神様についてお話ししたいと思います。日本の神社と同じように、中国でも廟と呼ばれるところに神様をお祀りする習慣があり、中国伝統建築で建てられ、神聖な場所と思われています。
 この廟は香港、台湾はもちろん、華僑が移住する東アジアのあらゆるチャイナタウン(中華街)にもあり、文化的生活の中心的役割を果たしています。当然、日本でも神戸南京町や横浜中華街にもある関帝廟をはじめとする廟が中華街には必ず存在しています。ですから、中国人にとって神様や廟の存在は生活や文化に占める割合が非常に大きく、道教の神様、仏教の仏様、民間信仰の神様、中国人の心には多種多様な神々や仏様が息づいていることが分かります。
 この廟についてですが、最も多いのが関帝廟で、アジアで最も多く祀られていると思われます。仏教では観音菩薩が多いでしょう。観音菩薩は、正式には観世音菩薩とも観自在菩薩とも呼ばれていますが、観音菩薩が最も知られています。関帝廟の他には老子が神格化された太上老君、道教における事実上の最高神である玉皇大帝、托塔天王(毘沙門天)の三男の哪吒太子、道教の治水の神、武神である神顕聖二郎真君、道教の女神で、海・漁業の守護神である媽祖など、数えきれないほど多くの神様がそれぞれ廟に祀られています。
 日本で馴染みのある、道教系の神で疱瘡除けや学業成就に効があるとされる鍾馗様や、『西遊記』の主人公の神仙・孫悟空である斉天大聖も人気がありますよね。
 次号では次号では神様でも仏様でも中国と日本では大きく異なっており、そのあたりについてお話ししたいと思います。
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