済公-2

更新日:2022年05月15日
杭州浄慈寺の済公

 伝記としては『北澗集』『浄慈寺志』『霊隠寺志』『補続高層伝』『西湖遊覧志余』『南宋元明僧宝伝』『五灯会補遺』『天台山方外志』『天台県志』『四庫全書』『道蔵精録』『浙江通志』など、かなり多数あります。
 また、済公には多くの詩作があり、
  几度西湖独上船  何度も西湖に独りで船を浮かべる
  ★師☆我不論銭  船頭は知り合いで、お金はとらない
  一声啼鳥破幽寂  ふと鳥の鳴き声で、湖面の幽寂が破れ
  正是山横落照辺  まさに赤い太陽が山に沈むところところである
があります。また、死に臨んで、
  六十年来狼藉  私は六十年余、流浪のままであった
  東壁打到西壁  東の壁からすぐに西の壁に移るようなものだった
  如今收拾帰来  今ここに帰ってきて見ると
  依旧水連天碧  あい変わらず水が天と繋がっている
という詩を作りました。
 伝承によると表面上は破戒僧に過ぎない済公は、伏虎羅漢とともに十八羅漢の降龍尊者の生まれ変わりであることになっています。十八羅漢はインドの十六羅漢に中国の2人を加えて18とし、その二人は釈迦の直系弟子とされています。世の不平を見るや義をもってこれを救い、貪官汚吏と対決します。しかし、それも真正面から行うのではなく、あくまで諧謔と風刺を交えて行動するのです。
 また流石にやり過ぎ感はありますが、当時の宰相秦桧と対立することにもなっていて、むしろそれ故に大衆に広く支持される活仏となったと言えます。1985〜1988年に游本昌が主役を演じた全12話のテレビドラマ『済公』は、中国人民の済公に対する愛惜を揺るぎないものにしました。

【作字】★竹冠+高
    ☆言偏+只

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