不管三七二十一-2

更新日:2015年10月15日
これは「差不多」と言ってはなりません
 また、中国語には「不管三七二十一」という慣用句があります。意味は「とにかくやってみよう」ですが、戦国時代、強大になりつつある秦に対抗しとうと、蘇秦という若者が秦以外の六カ国を遊説していたある日、斉の斉王に会い、
  「七万世帯が住む臨?斉の一家から三人の
  男子が服役すれば二一万人の兵士になる」
と説得しますが、机上の空論であるものの「一般常識よりも、とにかく、なりふり構わず」という意味合いとして残りました。
 かなり大雑把という意味では「大体、そんなモン」ですが、中国語の口語では大抵「差不多」と言います。しかし香港、広東省などでは「八九不離十」という地域もあります。
知り合いに聞いたところ、気の利いた香港人なら「七七八八」は中国語を勉強した日本人でも知らないから「差不多」と言うようです。数字絡みにさらに言えば、十は「十全十美」、「十足把握」とも表現しますが、ほぼ十に近い数字の表現として、「八九不離十」があり、もっと近いものに「十拿九穏」があります。
ほぼ手中に納めていて、あと少しで完成という意味で、すでに「拿(手の中)」にある、「當たらずといえども遠からず」と言う意味です。
 日本語の「とにかく」は、中国では「まぁそんなもん」となり、
「差不多(似ている)」
      ↓
「八九不離十(そっくり)」
      ↓
「十拿九穏(うりふたつ)」
      ↓
「十足把握(完璧)」
の順番で「十」に近づく言葉となるわけです。
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