玉石混淆-2

更新日:2016年11月15日
翠玉白菜、肉型石(台北故宮博物院所蔵)
 ここから一つも傷がない璧を完璧といい、二つ同様に立派なものであれば双璧というようになりました。璧より穴が大きければ「環」と呼びます。同館にはもう一つ、清代に作られた余りにも有名な翡翠製の「翠玉白菜」や「肉型石」があり、一昨年、初めて東京国立博物館で展示されました。これら玉製品は台湾人には大変な人気で、いつ来館しても多くの人が群がり、なかなかゆっくり観ることが出来ません。他にも円盤状や球形の玉の彫り物もあり、これも来館者の人気が集めています。
 日本では1980年頃から水晶、アメジスト、琥珀、エメラルド、珊瑚、サファイア、ラピスラズリ、ガーネット、翡翠など80数種などの玉が「パワーストーン」と呼ばれ、スピリチュアルの世界の注目が集まるようになりました。
 尊玉(玉を尊重する)、重玉(玉を重視する)、愛玉(玉を愛する)、用玉(玉を使う)、佩玉(玉を着ける)、玩玉(玉を遊ぶ)
 宝石に石ころ、つまりすぐれたものに価値のないものが入り交じった状態を「玉石混交(玉石混淆とも)」と言います。出典は「抱朴子」外篇・尚博で、
  眞僞顚倒 玉石混淆  真偽(しんぎ)顛倒(てんとう)し、玉石(ぎょくせき)混淆(こんこう)す。
  真実と偽りが逆転していて、玉と石とが入り混ざった状態だ。
とあります。
 過剰な情報社会である現代は玉石混交の情報が入り交じっています。とくに若い人たちはフェースブック、ツイッター、ブログなど、新たな情報が次々と秒単位でアップされますから、ネット情報に振り回され二度と戻らない貴重な時間を浪費しないよう、毅然とした意志をもって情報を選別するリテラシー(能力)を身につけてもらいたいものです。
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