上有政策 下有対策-2

更新日:2014年12月16日

●高速鉄道事故に関する政治責任、巨額収賄事件、責任回避、証拠隠滅…。さまざまな四字熟語が浮かびます。

 記憶に新しいところでは、二〇〇九年に旧型家電から省エネ新型家電への「買替促進策」がとられたとき、行政当局の予想しなかった、旧型家電を中古品として買い取り、家電販売店に持ち込んで補助金を受け取るビジネスが流行りました。さらに凄いのは、量販店の販売員が補助金の見返りに省エネ新型家電を販売して目標達成したり、キックバックを要求する例もあったそうです。
 極めつけは、今年、中国政府が打ち出した「不動産売却益に対する課税方針」です。その目的は不動産バブルの抑制と、投機目的の不動産取引の防止だったのですが、この制度は世帯単位での適用だったため、究極の「下有対策」として、離婚が急増したそうです。つまり、二軒目の住宅や不動産を、夫婦各々が所有すれば課税から免れることが出来るという対策です。そしていずれかの住宅や不動産を売却してから再婚するという計画離婚です。なかには大金を手にしてから新たな愛に走る人もいるそうですが、いずれも有る程度の金持ちだけが使える「下有対策」です。
 中国に限らず、自らの利益や金儲けのみを追求するため、政策の主旨を故意に歪曲したり、法の抜け道を探す輩はいると思います。デモ行進が禁止されれば「集団散歩」と名目を変え、輸入車の高関税には、分解部品として輸入し、中国国内で完成車を組立て販売するという対策は有名です。中国の法整備はまだまだ発展途上であり、法律や政策の改正、罰則の明確化・厳格化で一つずつ正常にするしかなさそうです。
 規則や法律が「上から押しつけられている」という意識を持つ中国と、ルールに厳格な日本との感覚差には、社会の構造とその歴史が大きく関係している典型例と言えそうです。

←前へ 目次 次へ→