百龍天梯 天空歩道−1

更新日:2017年09月01日
写真左から「空中遊歩道」、「好漢橋」、「スカイウォーク (Skywalk)」
 中国・河南省雲台山の崖沿いにかかる「空中遊歩道」は、昨年9月、この渓谷の標高1080メートルに造られた中国初のガラスの歩道としてオープンしました。しかし、オープンして僅か2週間後、観光客の落としたマグカップでガラス面にヒビが入り、一大パニックに陥る事故がありました。秋の大型連休を利用して多くの観光客が訪れるタイミングであったこともあり、事故に遭遇した人が「新浪微博(ウェイボー)」に写真を投稿したことで、さらに大きな話題になりました。
 遊歩道は厚さ1インチのガラスを三層重ねた構造で、少なくとも800キログラムの重さに耐えると言われていましたが、僅か2週間でガラスに亀裂が入ったため、安全のため管理者は遊歩道を封鎖し、すぐに事故の状況を確認したうえで、公式サイト上で明らかにしました。確かに亀裂を確認し、亀裂はガラスの一層目のみで通行には問題ないとしましたが、未だに再開についての明確な発表はありません。想像を超える恐怖とスリルを求めて訪れた人、予約済みの人、旅行の予約をしていた人もいたようで、払い戻しも受けられないことから、多くの人を失望させました。
 この事故を受け、こっちも大丈夫なのかと話題になったのが、険しい峰が連なるカルスト地形の景勝地として知られる中国湖南省平江県の石牛寨国家地質公園に昨年、完成した「好漢橋(勇者の橋)」です。床が全面ガラス張りのつり橋は、谷底からの高さが180メートルで、足下を見下ろせば身が縮むようなスリルを体験出来ますが、ガラスの厚さは24ミリ、強度は普通のガラスの25倍あるので「上で飛び跳ねてもびくともしない」と豪語しています。この橋は、元々は木製でしたが、昨年、試験的に一部をガラスに張り替え、さらにスリルが増すようにと、今年になって全面ガラス張りに作り替えました。中国初の全面ガラス張りのつり橋として大きな話題となりました。
 まだまだ恐怖の吊り橋はあります。次号ではどんどんヒートアップする吊り橋についてご紹介します。
←前へ 目次 次へ→