精霊宝可夢(ポケモンGO)-2

更新日:2017年08月15日
「山海経GO」(左)と「城市精霊GO」
そこでいつものパクリ疑惑ですが、「山海経GO」というポケモンが中国妖怪にすり替わったゲームが登場しています。画面は明らかにポケモンGOですが、可愛いポケモンの代わりに「山海経」と呼ばれる中国古来の妖怪が、どう見てもヘタウマ系かキモカワ系(つまり下手くそな手書き)の妖怪として出現すると、モンスターボールではなく、西遊記の孫悟空が頭にはめていた「緊箍児(きんこじ)」という輪っかを投げて妖怪を捕らえるそうです。
しかし、さすがに画面を見れば一目瞭然で、どう見てもデータ改変がバレバレです。ほかに「城市精霊GO」というポケモンGO発表後、超ウルトラ特急で製作されたアプリゲームもあります。このゲームは日本国内からもダウンロード可能だそうで、興味のある方は一度プレイしてみてはいかがでしょうか。
 いつものように「上に法あれば、下に策あり」で、ゲームを楽しみたい一部の中国のモバイルゲーマーは他国のサーバーにアクセスしてまでプレイしているようです。ポケモンGOサーバーが最良の状態で楽しめる最も近い国は日本で、彼らはVPN経由でアクセスしてポケモンGOアプリをダウンロードし、さらにGPSを偽装する別のアプリを得て楽しんでいるようです。
スマートフォンにGPS偽装アプリをダウンロードすることで、実際の利用者は中国にいても、ゲーム上では日本でポケモンGOを楽しんでいることになるのです。
このような偽装ツールの多くは、ゲーム上でもチート(不正)ができる機能も持っており、OS別に紹介される「抜け道」地図によると、中国の東北地方と新疆ウイグル地域だけは「ポケモンGO」はダウンロードでき、ほかの地域は全て「閉鎖地域」となっているようです。
 中国の若者たちは「ポケモンGOを中国で配信せよ!」と叫んでいますが、そこでネット上で「Pokemon GO bar」なるサイトがオープンしました。実際にゲームを楽しむ訳ではないのですが七月末現在、150万近くの人が登録し、海外の同胞から送られたポケモンGOの画面を貼り付け、攻略法を披露し合うなどホットな議論を戦わせているそうです。
 このような事態に対して共産党保守派の人々は、19世紀にイギリスが中国にアヘンを蔓延させ、「偉大なる清帝国」が崩壊して半植民地化された「屈辱の百年」に至った過去になぞらえ、
  「ポケモンGOは現代版アヘン」
また、GPS機能によって位置情報を把握されてしまう危惧から
  「日米は誘導ミサイルの目標を設定できる」
など、日米合作ゲームの侵略によって国家破壊の危機感まで募る幹部もいるそうです。
 しかし、約14億人もの世界最大規模の国家が、他国のインターネット通信やSNSなどを全てシャットアウトすることなど、いつまでも可能なのでしょうか。反対派のインテリたちや、「愛国国民」を名乗る人民は、共産党保守派と同調するでしょうが、それほど遠くない時期に中国政府は難しい選択を迫られることになると思われます。
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