敬天齋主人の知識と遊びの部屋



民間に眠る名品シリーズ
商品名:
劉石庵詩帖

永坂石埭-その文人的素顔 


 

著者:
釈文:林宏作 解説:大野修作
発行:
アートライフ社 2022.12.12
価格:
本体2,000円+税
ISBN: 978-4-908077-22-7 C3070
仕様: A4判並製 24頁 全頁カラー

永坂石埭-その文人的素顔

「民間に眠る名品シリーズ 第9弾!」

「劉石庵詩帖」、本冊は乾隆帝(一七九六~一七三五)の御製唱和詩に対する劉石庵の次韻詩を紺紙金泥で仕上げた作品で、干支からこの冊が掛かれたのは癸卯、乾隆48年(1783)です。

劉石庵
字は崇如、始め木庵、のちに石庵と号した。山東諸城の人で、東閣大学士・劉統勲の実子で、乾隆16年(1751)の進士。その後、翰林院入り、尚書(大臣)を歴任後、宰相まで地位に昇ぼり詰めた。中国歴代書家で最も高い地位に上った人と言えるでしょう。
本冊には楊佩璋の後跋があり、書かれたのは丁未、道光27年(1847)と分かります。彼は書家としてはそれほど知られていませんが、光緒3年に進士及第した後、翰林院庶吉士、翰林院編集、詹事府詹事、内閣学士、典礼院学士など清朝の高官を務めた人です。エリートポストを歩んだ楊佩璋;にとって、劉石庵は最も目標とすべき大先輩であり、随って跋文の書体は高級官僚や科挙官僚周辺では根強い人気の「館閣体」でか書かれてています。
王文治の「淡墨探花」に対し、揮毫には常に濃墨を用いたことから「濃墨宰相」と呼ばれた劉石庵、多くの作品を見る機会はあるものの、紺紙金泥で書かれた作品は初出と言えるでしょう。また本冊は一般庶民では入手出来ない豪華な紺紙に泥金で書かれていますが、時代を経ても全く経年劣化を感じさせない名品です。



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