紅口罩(赤マスク)-2

更新日:2022年02月15日
左から、FENDIの赤マスク(高そう)と赤マスクの人たち
 そして未だコロナ禍が続く今年は武漢ウイルスを追い払うべく「紅口罩(赤マスク)」が流行しています。春節期間最大の楽しみの一つが、大みそかの夜に家族揃って大いに楽しむ中国中央電視台(CCTV)が放送する「春節聯歓晩会(春晩)」です。日本の国民的テレビ番組「紅白歌合戦」の中国版で、中国人にとっての年越しの「恒例行事」とも言えます。
 そして今年視聴者を最も驚かせたのは、会場の観客が示し合わせたように赤マスクをつけていたことです。中国版ツイッター「微博」では2億5,000万以上の「春晩紅」というキーワードが上り、5億4,000万件に及ぶ書き込みがあったそうです。また、インターネット通販では新年に因んだマスクが2,000種類近くあるそうですが、赤マスクの人気は相当のようです。特に干支の丑や慶祝の単語がデザインされた赤マスクの販売実績が凄いそうで、赤マスクは今年の春節の象徴となっています。
 近年、日本では増え続ける中国人観光客を喜ばそうと、春節シーズンには日本のシックで落ち着いた建築やセンスのいい内装をとても気に入っていたのに、「春節快楽、歓迎光臨(春雪おめでとう。いらっしゃいませ)」の真っ赤な垂れ幕や看板など派手な装飾が目につくようになったと言われています。折角日本に来たのに興醒めするそうです。中国ではもともと白は縁起が悪い色でしたが、最近は結婚式で真っ白なウエディングドレスをまとう新婦も増えるなど、以前に比べれば中国人も色に対する認識も変化していますから、「★(「邦」の下に「巾」)倒忙」、ありがた迷惑です。
 それでもコロナ対策のマスクまで赤色が流行するとは、赤色だけは中国人にとって絶対的信仰の対象として、まだまだその地位を保ちそうです。
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