血★(爆買い)-1

更新日:2015年12月01日
これが日本製メリーズ

 上海にある日本総領事館の管轄エリア内には、いわゆる富裕層や中間所得層が多く住むことで知られていますが、訪日ビザの発給数が過去最高水準で推移しているそうです。今年1〜8月で前年同期比約2.5倍の564,000千件(団体含)に急増、 中国全体でも訪日数は通年で、昨年の同期比約1.3倍の200万人を突破する勢いだと発表されていました。2011年の未曾有の被害を被った東日本大震災、そして2012年の尖閣諸島国有化などによる日中関係悪化の影響で、訪日中国人旅行客の数字は落ち込みました。
 ところが時が経つとともに反日感情も薄らぎ、さらに人民元が1元15円前後だったのが、昨年秋頃から円安元高によって一時は1元20円近くと約30パーセントも日本での買い物が割安となった“お得感”、そして中国でニューリッチ層と呼ばれる富裕層が自国商品に対する根強い不信感と比例する日本製品の品質の信頼度が増してゆきました。そして、とどめともいうべき昨年10月1日から外国人向けに薬や食品などの免税対象商品が増えたことがさらに拍車をかけ、一気に中国人観光客の訪日数が回復しました。中国の食品や薬への不安や医療の不満は日本で安全で効能の高い藥の購入へとつながり、ドラッグストアのレジには、連日、中国人観光客が万円単位の買い物の支払いに長蛇の列を作っています。買い物した免税商品のレシートはパスポートに貼られるですが、あまりの多さにレシートが長すぎて貼るコトが出来ないほどでした。
 親類縁者や友人・知人からの依頼もあってか、彼らの多種多様、かつ極めて旺盛な商品の大量購入スタイルは「爆買い」と呼ばれる新語を生み出しました。今では中国人観光客(香港・台湾を除く)の爆買いに関しては日常的な行動となっていますが、次号ではその旺盛な消費動向について、お話ししたいと思います。

★…手偏+并

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